Re:alism
気付いた時には、右拳に力が入っていた



「あいつのせいで人生…変わったんだよ…」



それなのに


まさかあんな奴に呼ばれるなんて…っ



2度と会いたくなかったのに─────



「…そうだったんだ…ごめ───私知らなくて…」


「…あっ───…」



我に返ると、万里は下を向いていた


「違っ…こっちこそごめん…何も言ってなかったのは私の方だし…」



それに、万里は私のことを心配してくれてたんだ…


「…ありがとね…」



「え?」


「心配してくれてありがと!」



大切な友達



「…べっつに───♪」



本当にありがとう



───その夜、祝詞さんから電話があった


内容は…



“次のデートいつにする?”



…確かに以前


『次いつ会える?』

「いつでも」



とは言ったけど…



…やっぱり“デート”と言われると会わない方がいいような気がする────


< 56 / 109 >

この作品をシェア

pagetop