約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く




勘弁してよ。




そりゃ、歴史モノを読んだり、
ゲームしたりするのは好きよ。



勉強もスポーツも大嫌いだけど、
おしゃれと、歴史はベツモノ。



戦国時代とか大好きだし、
その次にお気に入りは幕末だけど。


いやっ、でも……ありえないでしょ。




そうだよ。


夢だよ。






私……夢でも見てるんだよ。







思わず自分の頬をムギュっと
力いっぱいつねる。





イタっ。





自業自得と言えばそうなんだけど、
思いっきり抓った頬を掌でさすりながら
真っ青になる。






痛みがあるってことは、
これは現実なわけで……。





一気に恐怖感が押し寄せて、
私はその町の中を二人を探しながら歩き始めた。





ふいに背後から、首元にかかる腕。



誰かに引っ張られたかのように
その腕をまわされた首元。


視線の先に映るのは銀色の刃。


委縮する体。



「いやぁーっ!!」




恐怖に震えて叫んだ口元には、
首元にまわされた腕が声を封じるように
塞ぐ。




「煩いなぁ-。
 それ以上、騒いだら本当に殺すよ」



まだあどけなさの残る声が
シーンと静まり帰ったその場に流れる。


その口調があまりにも冷たくて
震える体を必死にやり過ごして
恐る恐る背後の人を見たくて、
顔だけを上にあげていく。




あと少しで、
顔が見れる。

< 11 / 251 >

この作品をシェア

pagetop