びたーちょこれーと。






とりあえず、すぐそこにあった公園に自転車を止めてベンチに腰掛けた。



しばらく、無言でいた。


蝉の声がまだ響く夕方。
小学生が全力で目の前を走り去る。

目の前がオレンジ色で輝いている。


何だか心が切ない。




「……好きだよ」


俺は感傷的になりすぎていた。

思わず声に出してしまった。
言った後にハッと口を抑えた。



「わりぃ、俺は男には興味ないんだ…」

椿本のボケにいらついて背中を叩いた。


「馬鹿、お前じゃねぇし」

「知ってるって…ケホ
つかなんで水無月は勘が当たるんだ…」

椿本は顎に手を当てて呟く。






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