華麗なる偽装結婚
社長は私をふっと上目遣いで見上げると寂しそうに口角を上げて笑った。
「そうだね……。
本物を演じる必要はあるが、本物になる必要はない。
だけど、演じるにはそれなりの演習がいるよ。
………そうでないと、鋭く光る一族の視線は容易く俺達の関係を見破るだろう」
「…!!……演習…って」
彼の言った事は間違いではない。
だけど、そんなの……!
その直後に素早く私の腕を掴んだ社長が私の身体を抱き締めてきた。
「やっ……!何…」
抵抗する隙もなく、彼の唇が私の唇を塞いでくる。
「ん!!」
熱く…、痛く、切なく、心を刺すキスの雨…。
………だけどそれは、次の瞬間には蕩ける甘さと痺れをもたらしてくる。