華麗なる偽装結婚
―――コンコン。
―「どうぞ」
ノックして促されるままにドアを開ける。
「失礼します」
軽く頭を下げてから顔を上げると部屋には三人の男性。
「…稲田 阿美子さん?」
中央の男に訊ねられる。
「………」
……何と言ったらいいのだろう。
…端正な顔つきにサラッと後ろに流れる髪。
その人物が持つ、独特のオーラ。
気品?知性?優雅さ?
「…稲田さん?」
……ハッ。
「は、はいっ」
一瞬、引き込まれて言葉を失った。
……この人が?
………佐倉…怜……?