華麗なる偽装結婚


「結婚したいと思ったのは、
…君だったから。

陸が近付く度に腹立たしかったのは、
…嫉妬したから。

阿美子をこうして追いかけて来たのは、
…離したくないから。

偽装じゃなく、本物になりたいと思ったのは、
…君を愛してるから。



………他に質問は」


…………。

嘘。

嘘よ。


彼は私を好きになったりはしない。


いつでも私を女としては見てくれなかった。


「……質問はない?

じゃあこれは必要ないね」


ビリビリビリッ。


社長は離婚届を破り、パッと空中に飛ばした。

ヒラヒラ舞う紙の雪を私は呆然と見つめた。


「あの………」

「何」




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