華麗なる偽装結婚
私はそれだけ言うとサッと道を空けた。
恵子ちゃんも私にならい真横に立つ。
「い、いや…、そんな…」
女性は狼狽えた視線でそんな私達を見る。
女が固まって動く気配がないので私は言った。
「…お待ち下さい。
お取りつぎ致しましょう」
私は女性に背を向けると社長室のドアをノックしようと片手を上げた。
「ま、待って!」
女性がそんな私に声を上げる。
「…何か」
「た…大した用じゃないのよ。
いいわ、またにするわ。
明日のディナーのキャンセルのメールが来たから…。
理由を聞きたくて」