華麗なる偽装結婚
「きゃああ!!止めて!離してよ」
しばらくすると、辺りはまた朝の静けさを取り戻した。
「流石ね。
重厚なドアより完璧な鉄壁だわ、阿美子ちゃんは。
あなたが隣にいる限り誰も社長に近付けないわね」
恵子ちゃんがクスクス笑いながら言う。
「…全く。あり得ないわ。
女の趣味の悪さは天下一品ね。
来るもの拒まずも大概にしてもらわないと」
私がそう言い放った直後に私達の真後ろから笑い声が微かに聞こえた。
「…くくくっ…。
ひどいなぁ。
女の趣味は本当はいいんだよ。
今のようなタイプは、ボランティアだよ。
来るもの拒まず、じゃなくて、心優しい男、に変えてくんない?」