華麗なる偽装結婚
コンコン。
「失礼致します」
その時、彼女がコーヒーを持って入って来た。
「どうぞ」
静かにテーブルにカップを置いて軽く頭を下げると彼女は部屋を出ていく。
―――「いやあ、…いいですね。
清楚で美人で。
秘書の趣味が変わりましたね、佐倉社長」
「え…」
尾上社長がコーヒーを一口、口に含んでから感慨深げに言う。
「あなたのこれまでの羨ましい男ぶりの噂は存じ上げてますがね。
あのような秘書をお側に隠しおいていたとは、ますますのやり手ですな」