華麗なる偽装結婚
「……結婚…?
そんな、まだまだ俺にはそんなつもりは…」
尾上社長の口から飛び出した結婚の二文字に思わず顔がひきつる。
結婚なんてしなくてもいい。
一生独りでいてもいい。
誰かと共に生きて、生涯変わらぬ愛を誓い合うなんて正気の沙汰ではない。
愛など誓い合って縛られるものではない。
自由に必要な時に欲しいだけを与え合えばいいのだ。
――――「おや?
もしかしてご存知ないのですか。
来週の会長のバースデーパーティーで孫の婚約披露を兼ねる、と会長がおっしゃっていたような気がするんですがね。
あ、先週に会合で会長に偶然お会いしましてね……」