華麗なる偽装結婚
「阿美子ちゃん、今眼科医が…」
その時、メイクルームの個室ドアが開けられて社長がドアに手をかけたままこちらを向いていた。
「社長」
「…うわ。驚いたな。
……ずいぶん髪を軽い感じに変えたんだね。
……そうやって華やかなメイクをした君を見たのは初めてだな。
よく、似合ってるよ。
とても………綺麗だ」
彼は驚いた表情から、フワッと笑顔に変わって私を見ている。
「佐倉社長、とても美しい奥様ですわね。
さすが社長とご結婚なさる方ですわ。
きっとウェディングドレスもどんなデザインのものでも着こなしますわ。
楽しみですわね」
私の髪を整えながらメークアーティストが話す。
「………うん。そうだね。
早く見たいな」
「あらあら。
私はお邪魔ですね。
もうしばらくこちらでお二人でお待ち下さい。
私は出ておりますので」