華麗なる偽装結婚
パタン。
部屋が閉まり二人になる。
さあ。
阿美子。
言うのよ。
こんなバカげた茶番に付き合うつもりはないと。
あなたを心から軽蔑していると。
私は軽く息を吸うと立ち上がり彼を見上げた。
「あの、社長……、」
「ねぇ、阿美子ちゃん、
………抱き締めても…いい?」
私を優しい眼差しで見たまま社長が突然言った。
「は?!」
私は出かかった言葉を飲み込んだ。
社長は私をうっとりと見ている。
「君が…あまりにも綺麗だから。
知らなかったよ、……今まで……」
彼がゆっくりと私に近付いてくる。
「え…あの…」
「…君はこれまで一緒に過ごした女達とは違う…」
「あの、…待って…」