愛を教えて
最初のときは、卓巳の手がパジャマのズボンに潜り込むだけで、万里子は悲鳴を上げた。

でも次の夜は、パジャマの上から卓巳に脚を撫でられても叫ぶことはなかった。

まずは膝まで。

卓巳の手は、ふくらはぎから膝までの間を優しく撫で擦り、それから二日かけて、太腿から腰に触れることを許されたのである。


次はもっと先へ。

それは卓巳だけでなく、万里子も期待していた。


「ここじゃ……ダメ、です。部屋に」


卓巳になら何をされてもいいし、彼が望むことをしてあげたい。万里子の思いは遠慮がちではあるものの、少しずつ高まってきていた。

そんな万里子の言葉に卓巳はうなずくと、一気に彼女を抱き上げる。


「キャッ!」


卓巳は万里子を抱いて、右側の階段を一気に駆け上がった。

かつての卓巳を思えば、信じられない行動であろう。


愛は人の心に、恐ろしいほどのエネルギーを与える。今の卓巳はまさしく、エネルギー満タンの状態だった。


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