愛を教えて
契約書を破った以上、一連の契約は振り出しに戻る。現状では、ライカー社よりフジワラ・ロンドン本社のほうが追い込まれているだろう。

そして何より重大なこと。卓巳は妻を奪われた。



だがこのとき、ライカーは床に平伏する卓巳に圧倒されていた。

どれほど卑猥な言葉で貶めても、ふたりが互いを思い合う心には傷ひとつ入れられない。卓巳に対する敗北感ばかりが募る。


万里子のせいだ。


ライカーに対して身体を開こうとしなかった、すべては万里子に責任がある。

彼女をもっと傷つけたい。もっと辱めてやりたい。満たされなかった愛は、憎悪へと姿を変えた。


ライカーの中に芽生えた憎しみは、獰猛さを増して万里子に向かう。


『……いいだろう。散々遊ばせてもらった。彼女にふさわしい格好で君に返してやろう! ――受け取れ』


言うなり、ライカーは万里子からバスローブを剥ぎ取る!


ホテルの従業員や警備員のいる前で全裸にさせ、床に座る卓巳の前に突き飛ばした。


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