愛を教えて
静香の勘違いによる暴言に、万里子は顔面蒼白になる。


「どこが違うのよ! ついこの間だって代議士のご令嬢に手を出して、あなただっていい加減にしてくれって言ってたじゃない!」

「いや、ですから、それはイトコ違いです。彼女は」


宗は焦った様子で静香をなだめようとする。

それを目にして、万里子の中で疑問が膨らんだ。


「そうなんですか? そんな方だったんですか? 私は、とてもそんな」

「違います、万里子様。社長はそんな方ではありません。ですからこれはイトコ違いでして」



「宗、ドアを開けたままで何をやってる。私は彼女を連れて来いと……静香、こんなところで何をしてるんだ?」


開いたままドアから入ってきたのは卓巳だった。


「卓巳さん! あなたこそ、この部屋に来られるなんてどうしたの?」


静香の声はトーンが跳ね上がる。同時に、宗の隣から飛び退いた。


< 75 / 927 >

この作品をシェア

pagetop