愛を教えて
お産は時間がかかる――はずだった。

だが、思い立ったら即行動の父親に似たのかもしれない。午前十時過ぎに始まった本格的な陣痛は急ピッチで進み、子宮口も見る間に開いてくる。


そのころ、卓巳はちょうど北海道に着いたところだった。


王子様はパパの言葉に従い、ママを困らせなかった。

分娩室に入った三十分後、正午ちょうどに産声を上げたのである。



幸運だったのは、取引相手がテキサス州出身で大家族の家長、古きよきアメリカを代表する南部の男だったことだろう。

妻の出産を伝えると「Congratulations!」と卓巳の背中を思い切り叩き、すぐさま契約書にサインをしてくれた。



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