あのキスの真意は
あたしに盗聴器しかけたとか?
「生徒会からあそこの公園見える。
ふと、視線を外に移したら
物凄い剣幕で男に何か言ってる広瀬がいたから。
また別れたのかとね。
当たってるだろ?」
人が別れたっていうのに、
そんな得意げな顔するのって
どうかと思うんですが…
それに、分かってるなら
何してたとか聞かないでよ!
「返事がないってことは、図星なんだろ。
ふっ、軽い女。」
カチンときた。
カチンっていよりも、ブチッて方が近いかもしれない。
とにかく、あたしは頭に血が昇って
バチンッ!!!
体が勝手に動いて、
花森くんの左頬を思い切りビンタしてしまった。
ああ、ヤってしまった。
後悔先に立たず
ってこういうことを言うのね。
花森くんの頬が微かに赤いのも、
あたしの右手の平がじんじんするのも事実。
あたしは、人生最大の危機にぶち当たりました。