ケイヤク結婚
―大輝side―
「すみません、すみません……すみません」
俺の目の前で、寺岡が何度も何度も頭をさげていた。
出社したての俺は、部屋の入り口でコートも脱げないまま、頭を下げている寺岡と対面していた。
「まさか、シュレッダーで全部の書類を……本当にすみませんっ。しかもデータがどこにも残ってないなんて……」
「寺岡、顔をあげろ。俺に謝っても仕方がないだろ。明日の会議までに完成させるんだ」
『はい』と寺岡が返事をすると、デスクに戻った。
まさかデータまで無いとは。聞いてなかった。
書類を間違ってシュレッダーしてしまったと聞いてはいたが。
これでは夜までには終わりそうにないな。
俺は自分のデスクに鞄を乗せた。
「すみません、すみません……すみません」
俺の目の前で、寺岡が何度も何度も頭をさげていた。
出社したての俺は、部屋の入り口でコートも脱げないまま、頭を下げている寺岡と対面していた。
「まさか、シュレッダーで全部の書類を……本当にすみませんっ。しかもデータがどこにも残ってないなんて……」
「寺岡、顔をあげろ。俺に謝っても仕方がないだろ。明日の会議までに完成させるんだ」
『はい』と寺岡が返事をすると、デスクに戻った。
まさかデータまで無いとは。聞いてなかった。
書類を間違ってシュレッダーしてしまったと聞いてはいたが。
これでは夜までには終わりそうにないな。
俺は自分のデスクに鞄を乗せた。