ケイヤク結婚
 もしかして、侑が話したのかな?

「違いますか? 俺の勘違いなら良いのですが。新垣と冬馬さんのお二人は以前に付き合っていたのでは?」

 大輝さんの憶測ってことは、侑は話してないのかな?

「あ、はい。その通りです。すみません。私から話すべき……でしたよね」

「いえ。二人の過去を詮索するつもりはありませんから。ただ、確認しておきたかっただけです。もし、新垣と恋愛関係になる可能性があるのなら、今ここで俺たちは別れたほうが良いと思いますから」

「無いです。彼と付き合うのだけは絶対にあり得ません」

 あんな想い、もうしたくないもの。

「そうですか。では、今後の話をしましょうか。まず住まいですが、すでに俺には持ち家があるので、そちらに引っ越ししてくださると助かります」

「いいんですか?」

 私はレストランにある駐車場に向かうために、足を踏み出した。

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