君のための嘘
子供には両親が揃っていないとダメ……。


万が一あの夫婦が別れて、どちらかに育てられたとしても、片親がいなくなった埋め合わせは誰にもできない。


ぞくっと寒さを感じて、まだタオルを巻いただけだったことに気づいた。


慌ててパジャマを身に着け、ベッドの中に入る。


枕に頭をつけ目を閉じる。


目を閉じると、ラルフの顔が現れる。


<……ならば、僕と結婚してくれる?>


ラルフの言葉がリフレインする。


今の状況から逃げる為に、ラルフの提案に惹かれる。


ラルフとの結婚で逃げちゃためだよね……。


でも恩人のラルフが困っているのなら、なんとかして助けてあげたい。


どうしよう……。


ラルフは簡単に結婚を決めてしまってもいいの?


私でなくても……。


その夜はなかなか眠れなかった。


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