君のための嘘
いつもよりも目が覚めるのが遅くなってしまった。


焦ってパジャマの上にカーディガンを羽織っただけで、リビングに行くとダイニングテーブルに座ったラルフは新聞を読んでいた。


「おはよう」


新聞から目を離して、夏帆に微笑む。


「お、おはようございます あの、すみません……」


「気にしないで 眠れなかったんだろう?僕のせいだね」


立ち上がり、パーコレータからマグカップにコーヒーを注ぐと夏帆に近づき持たせる。


「慌てて出てきた?魅力的な姿だけど、僕には目の毒だ」


「えっ?」


ハッとして自分の姿を見下ろすと、胸元のボタンが外れて膨らみが覗いていた。


「きゃっ!」


慌ててかき合せると、ラルフが苦笑いを浮かべる。


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