君のための嘘
どうしてそんな条件を付けるの?


「夏帆ちゃん?」


「ラルフを愛しちゃったらどうするの?心なんて分からないでしょう?一緒に過ごしていれば愛してしまうかもしれない」


「それだったら、霧生家にお嫁に行った方がいい 霧生 貴仁に愛してもらえばいい」


ラルフと話していられなくて、立ち上がった。


「……今晩、返事します」


「夏帆ちゃん!」


夏帆は複雑な気持ちを引きずったまま部屋に戻った。



******



1時間後、ラルフは仕事に出かけるのを待ってから部屋を出た。


掃除をすることで少しの間、問題から逃げたかった。


そう思って掃除を始めたが、黙って手を動かしているせいかラルフの事ばかり考えてしまい、いつの間にか深いため息を吐いている。



< 110 / 521 >

この作品をシェア

pagetop