君のための嘘
第2章

気持ち

夏帆は自分のベッドで目を覚ました。


一瞬、どこにいるのかわからず考えてしまった。


「あっ!」


ガバッと掛布団をはいで起き上がった瞬間、頭がズキンと痛んだ。


「イタタタ……」


なぜ頭が割れるように痛いのかすぐに思い出した。


リリさんとワインを……。


吐きそうなほど気分は悪くないが、頭が痛くて顔を顰めてしまう。


ラルフが寝かしてくれたんだ……。


リリさんのお宅で寝ちゃうなんて恥ずかしい……。


夏帆は失態しなかったか心配だったが、ラルフに会う前にシャワーを浴びて気持ちをシャキッとさせたかった。


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