君のための嘘
「もちろん、大事なものがあるよ」


大事なもの……?


荷物を車に乗せてもう一度ショッピングセンターに戻ると、ラルフはある場所に夏帆を連れて行った。






「さあ、夏帆ちゃん 好きな指輪を選んで」


「えっ!選んでって言われても……」


ダイヤモンドのいわゆるエンゲージリングと、マリッジリングをラルフは夏帆に選ぶように勧めていた。


「これがないと始まらない」


ラルフは店員の女性に聞こえないように夏帆の耳に口を近づけて言った。


少し低めの魅力的な声色に夏帆の今日初めての胸がトクンと鳴る。



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