君のための嘘
「じゃ、じゃあ……」


困って指を指したエンゲージリングはシンプルなプラチナの台に一粒のダイヤモンドがのっているものだった。


シンプルと価格の安さにラルフは一瞬、顔を歪めた。


「もっと高い物でもいいんだよ?給料の3ヶ月分というだろう?」


「そ、そうなんですか?でも、これも相当高いと……これでいいです こういうリングに憧れていたんです」


「……わかったよ 夏帆ちゃんが身に着けるのだから良いと思ったものがいいからね」


ラルフは意見を尊重し、次に夏帆が選んだマリッジリングと共に会計をして店を出た。


******


あっという間にお昼になり、ショッピングセンター1階のレストラン街のオムライス専門店で食事をした。


それから車に乗り込むと、あと一ヵ所寄ったら家に戻るからねとラルフは言った。


時間は2時をまわっていて、あと3時間ほどで美由紀さん一家が来ると思うと夏帆の胸はドキドキしてきた。


演技……演技、美由紀さんを信じさせないと。


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