君のための嘘
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夏帆がキッチンで紅茶を淹れ代えていると、寝室から侑弥が出てくるのが見えた。


まっすぐソファに行き、美由紀の隣に腰掛ける。


「ふたりで大丈夫だった?」


侑弥は美由紀に聞いた。


「ええ……でも、私にきつくなんて無理だわ……」


その話が聞こえたのは夏帆がキッチンを出て彼らの背後に来た時だった。


私にきつくなんて無理……?


トレーを持ちながら何のことなのだろうかと、夏帆は立ち止まる。


「君は優しいからな」


なんなんだろう……この違和感……ふたりの仲に愛情のようなものを感じる。


「夏帆ちゃん?」


ラルフの声にハッとなり振り返る。



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