君のための嘘
「ラルフ、雪っ!」


子供のようにはしゃいだ笑みを浮かべ、手のひらを宙に差し伸べる夏帆。


積もっていないのが残念だけれど、夏帆は雪を見て嬉しかった。


「良かったね。雪見酒が出来そうだ」


「雪見酒?」


「温泉に浸かりながら日本酒を飲むんだ。まあ、お酒は何でも構わないけどね」


ラルフの言葉に夏帆はポカンとした顔になる。


「日本酒って、ラルフに似合わないな。どっちかって言うとシャンパングラスを持っている方がぴったりくる気がする」


ジャグジーに入りながら、シャンパングラスを傾ける。


そんなイメージがラルフに良く似合いそう。


「そうかな? 意外と好きなんだよ? 熱燗」


「私も飲んでみたいな。じゃあ、一緒に雪見酒しようね」


「えっ……?」


夏帆が何の気なしに言った言葉にラルフは驚いた顔になった。


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