君のための嘘
廊下は幅が広く、猫足の高さのある小さなテーブルの上には高価そうな花瓶が置かれている。


壁には有名画家の絵がかけられている。


これって……レプリカ?


廊下を抜けると、目を見張るような広さのリビングだった。


社長令嬢の夏帆で贅沢なモノに囲まれて生活していたが、このマンションの豪華さは目を見張るものがあった。


大きな窓から望む景色は空とビルと緑。


つやのある白のソファセットに目が行く。ソファの上に置かれた数個のセンスの良いクッション。たぶんソファーはイタリアの有名家具デザイナーの物。ソファセットだけでウン百万円する、そのソファに夏帆は見えた。ロスの家にも同じものがあったからだ。


それに大きすぎるテレビに揃えられたオーディオセット。


「すごいお部屋……」


夏帆の口から感嘆のため息しか出てこない。


「でも……モデルルームみたいですね 誰も住んでいないみたいにきれいで」


夏帆の言葉にラルフは内心、ドキッとした。それにはわけがあるのだが。


「最近引越ししたばかりなんです 出張が多くて ほとんど寝に帰るだけだからキッチンもまだ使ったことがないんですよ」


< 24 / 521 >

この作品をシェア

pagetop