君のための嘘
「こんな素敵なおうちなのにもったいないですね」


にっこり笑って言うと、なぜかラルフは気まずい顔になったのを夏帆は不思議に思った。



******



リビングの大きな窓辺に近づいた夏帆は、大パノラマの景色を眺めた。


眼下に広がる景色に、日本に来ちゃったんだな……と思った。


やっていけるのかな……。


「――帆さん、夏帆さん?」


考え事をしていた頭にラルフの呼ぶ声が聞こえて、我に返り慌てて振り向く。


振り向いた拍子にメガネが床に落ちた。


「あっ!」


音のした方に、倒れ込むようにしてしゃがみ、メガネを探す。



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