君のための嘘
「はい どうぞ」


パタパタと探している手を掴まれ、手のひらを上にされメガネが置かれた。


「あ、ありがとうございます……」


一瞬だけ掴まれた手首が熱を帯びている気がした。


「このメガネ、もう使い物になりませんね?」


「はい でも……」


直すしかないと思う、買えそうにないし。


「少し休んだら、警察へ行きましょう」


「場所さえ教えていただけたら一人で行きます」


何から何まで迷惑をかけてしまっていて心苦しい。


原因は彼とぶつかったせいだけれど、私も悪いんだから。



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