君のための嘘
「全部食べるんだ。食べたらこの薬を飲むこと。わかったね?」


そう言ったラルフは夏帆の部屋を出て行った。


夏帆は涙でむせび泣きながら、スプーンでお粥を口に運び始めた。


食べて、体力を戻して、ロスに帰る。


ラルフは私にいて欲しくないようだった。


おばあ様に私を愛していると言ったのはやっぱり嘘なんだ……。


心のどこかでラルフが愛してくれたら、どんなに幸せだろうと思っていた。


ロスに帰さない。もう一度やり直そうと言ってくれたら、素直になったのに……。


もうだめなんだ……。


******


翌日、朝早くに祖母がマンションを訪れた。




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