君のための嘘
ラルフの願い事は聞く前から分かっていた気がした。


『ありがとう 明日、必ずロスに帰って欲しい』


そう言われた夏帆は、ラルフのブラウンの瞳をまっすぐ見て動かすことが出来ない。


本当に侑弥さんは嘘を吐いたの?


私に人の心読む能力が欲しい……そう思わずにはいられない。


妹のようにしか見てもらえない……それでもラルフの側に居たかった。


見つめ合い、どのくらいの時が経ったのだろうか。


先に目を逸らしたのはラルフだった。


その時、夏帆は悟った。


侑弥さんの言っていることが本当で、ラルフは私に嘘を吐いている。


「……もう、出て行ってくれないか?」


「いやよっ!一方通行でもいい 私はラルフを愛しているの」

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