君のための嘘
「君がそう思うのは幼い頃、孤独だったからだよ 愛がなんだか知らないんだ だから、僕に父親の姿を重ねている」


ラルフが酷い事を言って私を傷つけようとしても平気だった。


今までのことはすべて私の為だった。


だから……私が最後の時が来ても……悲しまないように言ってくれている。


「私……ラルフの為なら……死ねる」


本当にそう思っている。


今ここで死んでもいい。


ラルフが苦しむ所を見るくらいなら、先に死んでもいい。


そんな自虐的な想いが夏帆の心を占めはじめた。


「何を言っているんだ!?僕は死なない そんな突拍子もない事を言うんじゃない!」


「……じゃあ……私は日本にいる 離婚してもいい ラルフに本当に好きな人が出来たら祝福する だから……側に居させて……」


夏帆はベッドに腰掛けるラルフの首に腕を回し抱きついた。


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