君のための嘘
「今日は最後までだ」


この2ケ月の間、ふたりは何もしなかったわけではない。


ラルフは夏帆を何度も抱いた。


抱いたと言うのは語弊があるかもしれない。


夏帆の中でラルフは快楽を得るところまで行かないのだ。


途中で夏帆はラルフが心配で泣きだすのだ。


夏帆の泣き顔を見ていると、出来なくなる。それが毎回の事だった。


「ラルフ、だめっ!」


顔を近づけるラルフの胸に手を置き、いやいやするように首を横に振る。


「今日は泣いても止めないよ 僕を信じて」


ここのところ、ヘビの生殺し状態でもやもやとした気持ちなのだ。


これほど心配させておいて勝手だが、病人ではなく普通の男として夏帆に見て欲しい。



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