君のための嘘
「どうして!?万が一の事があるかもしれないんだ!話すべきだ」


「……十分に覚悟を決めてきたつもりだった……でも、だめだな……侑弥、怖くて仕方ないんだ 弱さに負けてしまいそうだ これでは、夏帆ちゃんと話せない」


今までこんなに弱いラルフを侑弥は見た事がなかった。


余命宣告された時、感情を見せなかった。


今、いつ死んでも気にしない風だった。


霧生ホールディングス社の跡取りとして、感情を押し殺して育ったせいだったのかもしれない。


育ててくれた恩として、養父の見つけたかった娘を見つけてからラルフは変わって行ったように思う。


そして今、日本に残してきた家族が心配で、行動に移せないラルフ。


そんなお前を見ているのが辛いよ。ラルフ……。


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