君のための嘘
『夏帆ちゃん、起きなくていい おばあ様の携帯にこれから電話するから もう時間がない……愛しているよ 夏帆ちゃんに会えて幸せを知った これからも君の側にいる』


「ラル……フっ……っ……うっ……」


『泣かないで……強くならないとね 赤ん坊の為に』


「う……っ……ぅ……ん……」


夏帆は一生懸命に涙を堪えた。


「あい……してる……」


『身体を大事にね 夏帆ちゃん……――』


「あ!ラルフっ!」


夏帆の耳にラルフの声が残っている。


『身体を大事にね 夏帆ちゃん』


……うん、ラルフ。


どんなことがあっても、この子は立派に産むから。



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