マリア
第二章 運命
翌日、出勤前のマリアに原田から電話が入った。昨日のことで頭がいっぱいで、よっぽど仕事を休もうと思ったが、一人でいれば余計考えてしまう。だが、その電話でマリアは仕事を休むことにした。
「早ければ今日の夜、もしくは明日には退院できるよ。来るかい?」
 電話でマリアは曖昧な返事を返したが、よく考えた末、着替えを持ってセンターへと行くことにした。店に連絡したときは支配人にさんざん嫌みを言われたが、今のマリアには大したことではない。徳二郎、早く貴方に会いたい。ただそれだけを胸に、家を出た。
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