君の、瞳に。【短編】
「あーやしっ」
「いやいや、別に雨が降ったから会えるとかそんなんじゃ全然ないから…っ」
「へえ、会えるんだ」
「…あ」
ニッと笑った鈴に、やっちまった、と思った。
あぁ、あたしバカだ。
「はい。教えて」
「…くっそう」
そう呟いて、あたしはあっくんとの事を話し始めた。
「…何じゃ、それ」
話し終わって、鈴が言った一言はそれだった。
「あはは…」
「てか、その人何もの?」
「あはは…不思議少年」
鈴に話した内容。
台風の日、彼氏と別れた日に不思議少年と出会ったこと。
それから、太陽の出てない時だけ、いつも不思議少年はそこにいて、いつのまにか仲良くなったこと。
でも、名前以外は何も知らないこと。