君の、瞳に。【短編】
ポツポツポツ。
…あ。
「…かえ?」
「へ」
「何、雨みてんの?移動教室だよ?」
ふと我にかえって、教室を見渡すともう皆が移動し始めていた。
…いけないいけない。
つい雨が降り始めたのを、眺めすぎていた。
「かえさ、最近よく空見るよね?」
そう言ったのは、あたしの親友の速見 鈴(ハヤミ スズ)。
「…そうかな?」
「うん。そいで、雨ふると喜んでるよね」
その言葉に少しドキッとした。
雨の日。それは、つまりあっくんと絶対に会える日だから…。
「…そ、そうっ?」
「天気よいと何か落ち込んでるし。なんかあったの?」
「いやいや…」
なんて、するどいんだ、この子は。
一瞬、エスパーかと思ってしまった。
まぁ、一瞬だけれど。