君の、瞳に。【短編】
「…ねえ、かえ」
「ん…?」
「闇って、何だろう」
「え」
──何故か、胸がドクンと不快な音をたてた。
あたしはあっくんを見つめる。
フードから見える透き通る様な目。
濡れた髪。
びしょびしょの服。
丸まってる体。
瞳が……揺れていた。
「……闇」
ポツリと呟いて“闇って何だろう”と考えてみた。
「…暗い?
真っ黒…かな」
「真っ黒かあ」
「…うん、よく分からないけど…っ」
どうして、あっくんはこんな事を聞くのだろうか。
「……俺の光って、何だろう」
「…ひ、かり?」
「うん。大切なもの。
例えば、世界すべてが色が無くなるとして、唯一、色をつけたままでいてほしいもの」