君の、瞳に。【短編】
真っ先に、頭に浮かんだのはあっくんの顔だった。
どうして…、
何で…、
「…かえ?」
「あ…あたしは…っ」
───あっくんだよ。
「…大切な人、かなっ」
「大切な人かあ」
「うん…」
本当は、よく分からないよ。
でもね、あっくん。
最後に映るのは君だといいな、そう思ったの。
「…俺も。最後は大切な人を見たいな」
そう言ったあっくんの顔は悲しいほどに切なかった。
「…じゃ、帰ろっかな」
「え…」
「どうかした?」
…何でだろう。
何故か、まだ帰りたくない。
何だか、嫌な予感がするから。
何だか、このままあっくんが消えちゃうような…
そんな気がして、
帰ろうと立ち上がったあっくんの腕をあたしは掴んだ。