【十の瞳】
そういえば、藤浦さん達も、臨時で雇われたと言っていた。
ここの屋敷の事は、あまり詳しく知らないみたいだった。
だから、藤浦さん達が知らない何らかの仕掛けがある事も、充分に考えられる……というのが、彼の弁だった。
「別室で寝起きしていたとかは……?」
「それも、あるかもしれないが、一応、調べてみる価値はあると思う……」
「そうですか……」
――マスターの部屋からは、悪臭がした。
時間が経った、死体のにおいだった。
二人とも、それを我慢しながら、部屋の中を探り回った。
手当たり次第、壁を叩いてみたり、床を軽く蹴ってみる。
……だが、明確な音の違いなどは判らず、何も見つからなかった。