【十の瞳】
それも、もっともな意見だった。
事件の真相を知られたくない真犯人は、彼のような行動をとても警戒するだろう。
そうなると、えどがぁさんの身にも、危険が及ぶかもしれない。
結局、僕だけがえどがぁさんに付いて行った。
「――さっきの話の続きを訊いてもいいですか?
不可解な点って……」
「あの部屋には、なくちゃならないものが欠陥しているんだ」
「何ですか?」
「ベッドだよ。
……あそこは、マスターの仕事部屋兼、私室なんだろう?
だとしたら、ベッドがないのは不自然だ。
まさか、ぶっ通しで働き続けたり、床で眠っていたわけでもないだろう?
だから、マスターがあの部屋だけにいたとは考えられないんだ」