【十の瞳】



僕は、グースが鞄にいくつもスナック菓子を入れていることを知っていた。


そして、それらをまとめてスーパーのロゴが入った大袋に収めていることも。


応接室に顔を出すなり、僕に怒鳴られたグースは、わたわたしながらも言われた通りに袋を出してくれた。


引っ手繰るように受け取り、十二愛の口元に当てる。


本当はもっと小さな袋がよかったのだが、この際仕方ない。


「コロ、お前何して……それじゃ、余計息出来なくなっちまうだろ!」


「いや、これが正しい」
 

驚くファニーの横で、えどがぁさんがため息を吐いていた。


「それにしても、よくこんなに手早く対処できたものだ……」
 

十二愛の症状が治まると、徐々に顔色も戻ってきた。


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