【十の瞳】
 


十二愛が上体を起こした。


体の下敷きになっていたスカートや、レースの付いたパフスリーブがぐしゃぐしゃに皺になっていたが、彼女はあまり気にしていない様子だった。


大物だ。


「空調が利きすぎて、乾燥してるね……。


何か、飲み物でも貰って来ようか」
 

言ってから、自分でも喉が渇いていることに気付いて苦笑する。
 

冷蔵庫に、確かまだジュースがあっただろう。


グースがすべて飲んでしまっていなければ。


「……ありがとう」
 

コロが空調をいじって、部屋を出ていく。


「じゃあね」


「うん」
 

十二愛は返事をして、力なく笑った。



< 135 / 150 >

この作品をシェア

pagetop