【十の瞳】
十二愛が上体を起こした。
体の下敷きになっていたスカートや、レースの付いたパフスリーブがぐしゃぐしゃに皺になっていたが、彼女はあまり気にしていない様子だった。
大物だ。
「空調が利きすぎて、乾燥してるね……。
何か、飲み物でも貰って来ようか」
言ってから、自分でも喉が渇いていることに気付いて苦笑する。
冷蔵庫に、確かまだジュースがあっただろう。
グースがすべて飲んでしまっていなければ。
「……ありがとう」
コロが空調をいじって、部屋を出ていく。
「じゃあね」
「うん」
十二愛は返事をして、力なく笑った。