【十の瞳】
(この人が、あの【えどがぁ】さんかぁ……)
江戸川乱歩か、エドガー・アラン・ポーの名前からとったのだろう。
両方かもしれない。
字面的には少々間抜けだが、そこらへんに彼の茶目っ気がある様な気もする。
しかし、ここで僕ははっとなった。
残り一人。
そう。
もう参加者の席には、今日見かけてからずっと、ただのミーハーだと思っていたゴスロリ少女しか、いなかったのだ。
黙々と食事を続けていた彼女はその手を止めると、すっと立ち上がって、挨拶をした。
「ヨイナラソニアです。
……以上」
ヨイナラソニア――【四十八願十二愛】。
呪文のような言葉の組み合わせに、思わず一同が訊き返す。
すると彼女は機嫌悪そうに、
「ヨ・イ・ナ・ラ・ソ・ニ・ア!」
馬鹿丁寧に一文字ずつ区切って叫んだ。