【十の瞳】
 


思い付く限り、厳しい事をあれこれと並べた。


だけど僕は何とか、彼女を説得したかったのだ。
 

すると十二愛は、顔を手で覆い、わあっと泣き崩れた。


「……怖いの、私。


来るんじゃなかった、こんなところ……!」
 

咄嗟に、僕は取り乱した彼女を支えていた。
 

とても小さな体から、震えが伝わってくる。
 

だけど十二愛の体は、柔かく、温かい。


……この子は、人形なんかじゃない。
 

ちゃんと、感情だってある。


急速に僕の中に、彼女に対する愛しさが、こみ上げてきた。


庇護欲にも似ている。
 


何とか彼女をなだめて、とりあえずは彼女の部屋に行った。


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