【十の瞳】



「飲み会とか、合コンとか、サークルとか、超楽しそうじゃん! 


俺そんな余裕ねーし、そもそもおっさんばっかの成人のクラスだし、


なあ、大学生の女の子って可愛い?」
 

表情と話題の変わり身の早さに、呆れてつい笑ってしまう。
 

だけど、こういったくだらないやりとりが、今の僕を救っているのも確かだった。


ただ部屋に閉じこもっているより、何かしていた方が気が紛れる。


「そういえば、ファニーペインさんは……」


「長いから、『ファニー』でいいよ」


「ファニーは、何で『紡ぎ車』を始めたの?」


「あ~……」
 

するとファニーペインは、明らかに気まずそうに視線を泳がせ、わざとらしく頬を指で掻いた。



「実は……彼女が」


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