愛しき人
「ところで、俊哉、家の事は美咲ちゃん知っているのか?」

・・・・・家のこととはオレがABCに息子ってこと・・・・・

「まだ、話していない。話して、拒否されたらと思うと、言えなくて」

「そうか・・・ある意味、お前にはそれがトラウマだからな・・・
でも、みさきちゃんなら大丈夫だと思うぞ。」

「そうか?でも、実はNFのむすめとの縁談があるんだ。」

「NFってあのNFか???」

「そうだよ。なぜか、向こうのお嬢様が乗る気らしい。親父も望んでも無理な相手からの申し出だから、喜んじゃってるよ・・・・」

「それは、つらいな・・・」

「お前なら、どうする?お前だって、このままうち会社にいるわけ行かないだろう。」

・・・そう。この主任さん。実は大きな物産会社の社長の息子・・・・・

「そうだな。でもおれはみなみとは別れないよ。こいつしかいないって初めて思った奴だからな・・・」

「それはオレもだよ。美咲以外いらない・・・・」

「それはわかるよ。だって俊哉!お前が彼女作るなんでありえないだろう」

・・・・確かに、今までのオレならありあない。女は遊ぶもので、大切に扱うものではなかった。仕事が一番、自分は二番、女の順位ははるかしただった。無くなってもよい扱い・・・それが、今は何より、大切で、あいつの事を考えないに時はなかった。いつでも触れたいと思うし、あいつの顔が曇れば、すぐにわかるようになった・・・・・

「それだけ、大切なら、お前のすべてを理解してもらえよ。きっと大丈夫だよ。もし、何あれば相談乗るし、力貸すから・・・」

「すまん。」

「いいよ。でも、それはお互いさまってことで・・・」

「あー。」
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