リアル




ただ、それだけだった。


家族は何人だとか、恋人はどうだとか、訊かれたくはない。


今の職場も同じとはいえ、人数が多い分、興味の対象にはならない。


他に憎たらしいアルバイトや社員がくれば、話の的はそちらになるのだ。


だから、何だかんだで、今の職場はもう五年も続いている。


もう少しでスーパーあきやまに到着する。


薫は大通りに出たところで、ペダルを踏む力を強くした。







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